プログラム

大会日程

1日目@立命館大学
12:00-14:00 対面ポスター発表
14:15-15:15 大会記念講演:ヴァルシナー講演(オンラインでも配信)
15:30-17:30 対面講習会

2日目@オンライン
10:00-11:00 オンラインポスター発表
11:00-12:00 オンライン総会
12:00-14:00 オンライン(会員企画)シンポ
14:10-16:40 オンラインコメントセッション

大会記念講演

IMAGINATIVE AGENCY: HOW TEA MATTERS

日時:10月1日 14:15-15:15
講演者:Jaan Valsiner(Aalborg University and Federal University of Bahia)
司会:サトウタツヤ(立命館大学)
概要:
  The contemporary semiotic turn in psychology makes the construction and use of field-like signs central for the functioning of the human psyche. More precisely it is the constant dynamics of meaning making between field-like and point-like signs—extension (of point into field) and constriction (field into point):
The constant extension-constriction process makes the primacy of imagination by the meaning-maker crucial for linking the past (A<>B in TEA scheme) with the future (C<>D);
The process of negotiating the relation with the past (A<>B) and future (C<>D) happens in TEA on the border (red circle in Figure). That process entails constant move between the imagined certainty (point like sign) with field-like uncertainty.
共催:立命館大学総合心理学部/人間科学研究科
共催:立命館グローバル・イノベーション研究機構 記号創発システム科学創成―実世界人工知能と次世代共生社会の学術融合研究拠点 第4グループ「記号論的文化心理学の理論深化と次世代共生環境デザイン」

講習会

L1 保育実践とTEA:子ども理解のツールとして
講師:渡邉真帆(福山市立大学)・中坪史典(広島大学)

質的研究法としてのTEAは、研究者の研究方法のみならず、保育者が子どもを理解し、自らの実践を振り返るための方法としても位置づけることができる。質的研究法としてのTEAは、インタビューデータの分析のみならず、観察データや映像データを分析するための方法としても位置づけることができる。この講習会では、子どもの活動は、一言では説明できないほど豊かな経験のプロセスがあるという前提のもと、実践者がTEM図の描出を通して子どもを理解し、自らの実践を振り返るためのツールとしてのTEAの可能性について検討する。具体的には、映像データをもとに、対象となる子どもの行為や発話、周囲の出来事などのラベルを生成し、時系列に配列しながら等至点(EFP)を設定することで、その子の活動に影響を与えていると考えられる様々な周囲の出来事について検討する。また、TEAの特徴である多様な径路の描出を活かして、「もし、ここで保育者や他児がかかわったら(かかわらなかったら)」「もし、ここでこの出来事が起こったら(起こらなかったら)」など、「実現したこと」「しなかったこと」の結節点となる分岐点(BFP)について保育者同士で推理しあい、語り合うような、TEAを活用した研修のあり方を提案する。

L2 看護実践とTEA:対象者理解・看護職理解のツールとして
企画:大川聡子(関西医科大学)
講師:中本明世(甲南女子大学)・大野志保(大阪公立大学)・小路浩子(神戸女子大学)・伊東美智子(神戸常盤大学)・田中千尋(帝京大学)・横山直子(立命館大学)

看護実践や看護教育、そして看護師としての成長など、TEA(複線径路等至性アプローチ)が看護領域に与えた影響は小さくない。この企画では、TEAを看護領域で実践している方/したい方々が集う場所を提供することを一つの目的としている。TEAが発表された直後に看護領域に取り入れた研究者たちは、どのような目的でそれを取り入れようとしたのか、そして、どのような苦労があったのか。他の質的研究とどのような異同があるのか。そんなことを中心に参加者それぞれの問題意識を共有していきたい。コロナ禍において看護職の移動が制限されている状況であり、企画/担当者の全員がこの場に揃えるわけではないが、看護領域でTEAに関心をもつもの同士でTEAの活用方法や情報交換を行いたいと思っている。参加者がそれぞれの看護実践とTEAの関係をより濃密にできるようにお互いがサポートしあえるようなアリーナを作っていきましょう。もちろん、看護領域以外の方の参加も歓迎です。

L3 TEA(複線径路等至性アプローチ)のいろは
講師:安田裕子(立命館大学)

TEAは、文化心理学に依拠し等至性(Equifinality)の概念をもとに発展した。文化的存在である人の発達や人生径路を描出する方法「複線径路等至性モデリング(Trajectory Equifinality Modeling:TEM)」を中心に、ある有り様(等至点)を経験した人を研究対象に選定する理論「歴史的構造化ご招待(Historically Structured Inviting:HSI)」、分岐点での自己の変容・維持過程を可視化する理論「発生の三層モデル(Three Layers Model of Genesis:TLMG)」によって構成される。TEMは、人の経験や現場で生起する事象の時間的変容を、埋め込まれた社会的・文化的諸力を可視化しつつとらえる分析技法であり、特有の概念装置が存在する。これら概念の理解を進めることで、基本的なTEM分析をすることができる。この講習会では初学者向けであり、TEMの基本的理解を理論と実践により進めていく。TEMでは、トランスビューといって、インタビュアー₋インタビュイー双方の視点を融合しつつ、過去-現在-未来の時間軸のなかで経験を捉えていくが、そのプロセスを経験的に学ぶ。

L4 TEA(複線径路等至性アプローチ)の理論的進展
企画・講師:サトウタツヤ(立命館大学総合心理学部)

TEA(複線径路等至性アプローチ)は、分岐点と等至点とその複線経路が最小のユニットであるが、近隣諸科学の様々な概念を取り入れて発展してきた。初期の概念としては必須通過点(OPP)があげられる。この講習会では、ジットウンのイマジネーション(ももいろクローバー分析)、シモンドンの展結・個体化、松村の関係学、ガーフィンケルのエスノメソドロジーなど、最近取り入れられつつある諸概念について紹介し、それがTEA(複線径路等至性アプローチ)のどのような側面に影響を与えるのかについて検討していきたい。今回は特に、関係学の関係構造とTEAのマリアージュの可能性を追求したいと思っている。自ら新たな理論的展開を志向する方による革新的なアイディアの披露も歓迎したい。

L5 Post-lecture Event/ヤーンとおしゃべりしよう!
Talking with Prof. Jaan Valsiner on TEA with tea.
Jaan Valsiner(Aalborg University)・Teppei Tsuchimoto(JSPS/Osaka University)

Let’s talk with Prof. Valsiner, a leading expert in cultural psychology. Whether it is about the content of the commemorative lecture or your own research, anything is allowed. Don't be put off if your English isn't good enough! Someone will translate for you! Let's talk with Jaan on TEA with tea!
ヤーンとしゃべろう!文化心理学の第一人者、Valsiner教授とおしゃべり/議論しましょう。記念講演の内容のことでも、自分の研究のことでも、何でもいいです。英語が不得意であっても気おくれせず参加してください!誰かが通訳しますよ!お茶を飲みながらTEAについてヤーンと語りましょう!

共催

立命館大学ものづくり質的研究センター、
立命館グローバル・イノベーション研究機構 拠点形成型R-GIRO研究プログラム
記号創発システム科学創成―実世界人工知能と次世代共生社会の学術融合研究拠点
(第4グループ)記号論的文化心理学の理論深化と次世代共生環境デザイン