研究検討会第5回 今尾真弓さん+山本一成さん+松本光太郎


■ 日時:2010年3月6日(土)10時00分〜17時30分
■ 場所:名古屋大学 先端技術共同研究施設(この施設はオートロックです。そのため、参加メールをいただいた際に、入室方法等をお知らせいたします。)

■ 話題提供者1
今尾真弓(名古屋大学)
「慢性の病気にかかるということ−ある患者の語りを通して」
慢性疾患に罹患された方々へのインタビューを通して、患者さんが、治らない病気を位置づけていくプロセスについての研究を行ってきました。 今回は、インタビューの対象となった方々の中から、ある1人の方のインタビューを取り上げ、その方の心的過程を描き出すことを通して、病気の経験に迫ることを試みたいと思います。何分、初めての試みですので、至らない点が多々あるかと思いますが、ご意見をいただき、有意義な議論をさせていただければと思います。

■ 話題提供者2
松本光太郎(名古屋大学)
「こわすことを躊躇するかたちに関する心理学的考察」
 ある時、施設に居住する高齢の女性と一緒に外へ出た際、外はどしゃぶりの雨でした。彼女は施設の玄関先でザンザンと降る雨をまっすぐに見つめていました。私は横に立ったまま、特に言葉を交わすこともなく、しばらく時間を過ごしました。車イスに座る彼女は時折お尻のできものの痛みで顔を歪めます。そのたび室内に戻ろうかと私は声をかけるのですが、彼女はやんわりと断り、雨を見つめ続けました。雨を見つめる彼女の姿はかたちを成していて、完成していました。私はそのかたちをこわすことを躊躇して、ただ待っていました。
 雨を見つめる彼女とそのかたちをこわすことを躊躇する私が並び、互いに隣でたたずむ、このことについて心理学的考察を試みたいと思います。よろしくお願いします。

■ 話題提供者3
山本一成(京都造形芸術大学)
「挑戦可能な環境の発見」
保育園でフィールドワークを行ってきました。子どもたちによる「挑戦」と呼びうる行為が起こっている環境を、生態心理学の理論を援用しながら記述する研究を修士論文でまとめました。事例や考察の伝え方など、さらに内容を深めていきたいと考えていますので、ご意見やご指摘をいただければ幸いです。

■ 参加費/参加方法
無料。事前に下記の連絡先にご連絡ください。
■ 連絡先
k-matsumoto@esi.nagoya-u.ac.jp 松本光太郎宛 @を半角に変えてください。

◆主催:てんむすフィールド研究会

これまでの開催
第4回 2010年1月30日
第3回 2009年12月6日
第2回 2009年10月4日
第1回 2009年8月2日

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